プラごみからキーキャップを作ろう
v1.0.0
プラスチックゴミ(今回はボトルキャップ)を原料にキーキャップを作れる金型データを公開します。
この金型から作成できるキーは、Cherry MX互換のキーボード全般と互換性があります。サイズはu1です。INARIをはじめとする手動射出成型機を使って、小規模な量産が可能です。
データの使い方
金型データはSTEPファイルで公開しています。(Fusion360ファイルも同封しているので、細かな修正も可能です)
3軸CNCを使って自分で切削するか、
misumiなどのアルミ切削サービス(meviyラピッドプロトタイピング)を活用するなどして、アルミ型を入手してください
各部品について
金型は外側の型と内側の型に分かれ、内側の部品を他の型と差し替えることができます。
金型の素材はアルミ型を想定しているので、射出口の直径は4mm, 最小肉厚は2mmで設計しています。
キーキャップの形状は型を剥がす際に取り外しづらいことから、下層は2段に分け、エジェクタピンを導入しています。
制作手順
必要な機材
- プラスチック破砕機
- 射出成形機(ORIGINALMIND社 INARI)
- M5ボルト・ナット
- ヘラ、ペンチ、ニッパ、軍手(火傷防止用)、紙やすり(#800-2000)、
手順1:プラスチックの破砕
プラスチックを5mm角程度まで破砕します
LODGEでは、2-3万円で買えるガーデンシュレッダー(ギア式)を使ってボトルキャップを破砕しています。(もともと木の枝を切削することを想定した機材なので、取扱には十分注意してください)
その際、大きな破片はレーザーなどで制作したふるい
で取り除き、再び破砕にかけることを繰り返すと、だんだんと目安の大きさに近づいていきます。
手順2:射出成形
素材が破砕できたら、金型をボルト・ナットで締め、射出成形機にセットします。 この際、軍手をするのを忘れないようにしてください。火傷します。
- 型をINARIにセットしたまま予熱(2分)
- レバーを引いて素材を流し込む
- 型を外してファンなどで冷やす(1分)
- ボルト・ナットを外す
- エジェクタピンで成型物を押し出す
の順に進めると、うまく成型しやすいです
手順3:仕上げ
手動の射出成形機の場合、バリが大量に出ることも多いので、ニッパなどで取り除きます
最後に細かいバリを#800~2000程度のヤスリで削って、キーキャップの完成です
キーボードの規格について
キーキャップ(キーボードの1つ1つのキーの部品こと)の種類は本当にたくさんあるのですが、今回は型の作りやすさと、ポピュラー度合いからDSAという規格を選定しました。サイズもu1~たくさんありますが、一番スタンダードなu1のみ作っています。
自作キーボード沼にハマりそうなので説明は省略しますが、Keyboard Universityなどを見てもらうと、詳しく解説してあります
製作者
Shintaro Nakajima (LODGE)