STEPファイル, Fusion360ファイル

このサイトでは、Toasterの活動を通じて生まれた ものづくりのレシピやデータを、オープンソースで公開しています

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ペットボトルキャップを素材に1からキーボードをつくるための金型

Recipe

002

データについて

100%コカ・コーラ キーボードを制作する際に使用した金型データです。

ORIGINALMIND社の手動射出成形機 INARI M6/M12に対応しています。

ペットボトルキャップを原料にした場合は、下の写真のように色鮮やかなキーを成形できます。もちろん、市販のペレットを使うことも可能です。


データの種類

DSAキーキャップ(低め)とCherryキーキャップ(高め)、2種類の規格キーキャップの.f3d .stepファイルを入れています。

自分の好みに近い方のデータをお使いください。


アルミ型の入手方法

データを出力するには、アルミを加工する設備が必要になります。kitmillなどの家庭用CNC切削機を使って自分で切削するか、JLC CNCなどのアルミ切削サービスを活用するなどして、アルミ型を入手してください



各部品について

金型は外側の型と内側の型に分かれ、内側の部品を他の型と差し替えるられるようにしています。

金型の素材はアルミ型を想定しているので、射出口の直径は4mm, 最小肉厚は2mmで設計しています。

キーキャップの形状は型を剥がす際に取り外しづらいことから、下層は2段に分け、エジェクタピンを導入しています。



制作手順

必要な機材

  • プラスチック破砕機

  • 射出成形機(ORIGINALMIND社 INARI)

  • M5ボルト・ナット

  • ヘラ、ペンチ、ニッパ、軍手(火傷防止用)、紙やすり(#800-2000)、

手順1:プラスチックの破砕

プラスチックを5mm角程度まで破砕します

LODGEでは、2-3万円で買えるガーデンシュレッダー(ギア式)を使ってボトルキャップを破砕しています。(もともと木の枝を切削することを想定した機材なので、取扱には十分注意してください)

その際、大きな破片はレーザーなどで制作した"ふるい"で取り除き、再び破砕にかけることを繰り返すと、だんだんと目安の大きさに近づいていきます。



手順2:射出成形

素材が破砕できたら、金型をボルト・ナットで締め、射出成形機にセットします。 この際、軍手をするのを忘れないようにしてください。火傷します。

  • 型をINARIにセットしたまま予熱(2分)

  • レバーを引いて素材を流し込む

  • 型を外してファンなどで冷やす(1分)

  • ボルト・ナットを外す

  • エジェクタピンで成型物を押し出す

の順に進めると、うまく成型しやすいです。動画に射出成形のプロセスをまとめました。


手順3:仕上げ

手動の射出成形機の場合、バリが大量に出ることも多いので、ニッパなどで取り除きます

最後に細かいバリを#800~2000程度のヤスリで削って、キーキャップの完成です


キーボードの規格について

上で説明した通り、今回はDSAとCherryの2つの規格でキーキャップを制作しました。

サイズもu1~たくさんありますが、一番スタンダードなu1のみ作っています。

自作キーボード沼にハマりそうなので説明は省略しますが、キーの規格の種類についてはKeyboard Universityなどを見てもらうと、詳しく解説してあります。


導入実績

2022年4月 ドイツのVitra Design Museumで開催中の企画展「Plastic Remaking Our World」にて100%ペットボトルキーボードが展示されました



製作者

Shintaro Nakajima (@52shinNaka)