ペットボトルキャップを素材に1からキーボードをつくるための金型
Recipe
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データについて
100%コカ・コーラ キーボードを制作する際に使用した金型データです。
ORIGINALMIND社の手動射出成形機 INARI M6/M12に対応しています。
ペットボトルキャップを原料にした場合は、下の写真のように色鮮やかなキーを成形できます。もちろん、市販のペレットを使うことも可能です。
データの種類
DSAキーキャップ(低め)とCherryキーキャップ(高め)、2種類の規格キーキャップの.f3d .stepファイルを入れています。
自分の好みに近い方のデータをお使いください。
アルミ型の入手方法
データを出力するには、アルミを加工する設備が必要になります。kitmillなどの家庭用CNC切削機を使って自分で切削するか、JLC CNCなどのアルミ切削サービスを活用するなどして、アルミ型を入手してください
各部品について
金型は外側の型と内側の型に分かれ、内側の部品を他の型と差し替えるられるようにしています。
金型の素材はアルミ型を想定しているので、射出口の直径は4mm, 最小肉厚は2mmで設計しています。
キーキャップの形状は型を剥がす際に取り外しづらいことから、下層は2段に分け、エジェクタピンを導入しています。
制作手順
必要な機材
プラスチック破砕機
射出成形機(ORIGINALMIND社 INARI)
M5ボルト・ナット
ヘラ、ペンチ、ニッパ、軍手(火傷防止用)、紙やすり(#800-2000)、
手順1:プラスチックの破砕
プラスチックを5mm角程度まで破砕します
LODGEでは、2-3万円で買えるガーデンシュレッダー(ギア式)を使ってボトルキャップを破砕しています。(もともと木の枝を切削することを想定した機材なので、取扱には十分注意してください)
その際、大きな破片はレーザーなどで制作した"ふるい"で取り除き、再び破砕にかけることを繰り返すと、だんだんと目安の大きさに近づいていきます。
手順2:射出成形
素材が破砕できたら、金型をボルト・ナットで締め、射出成形機にセットします。 この際、軍手をするのを忘れないようにしてください。火傷します。
型をINARIにセットしたまま予熱(2分)
レバーを引いて素材を流し込む
型を外してファンなどで冷やす(1分)
ボルト・ナットを外す
エジェクタピンで成型物を押し出す
の順に進めると、うまく成型しやすいです。動画に射出成形のプロセスをまとめました。
手順3:仕上げ
手動の射出成形機の場合、バリが大量に出ることも多いので、ニッパなどで取り除きます
最後に細かいバリを#800~2000程度のヤスリで削って、キーキャップの完成です
キーボードの規格について
上で説明した通り、今回はDSAとCherryの2つの規格でキーキャップを制作しました。
サイズもu1~たくさんありますが、一番スタンダードなu1のみ作っています。
自作キーボード沼にハマりそうなので説明は省略しますが、キーの規格の種類についてはKeyboard Universityなどを見てもらうと、詳しく解説してあります。
導入実績
2022年4月 ドイツのVitra Design Museumで開催中の企画展「Plastic Remaking Our World」にて100%ペットボトルキーボードが展示されました
製作者
Shintaro Nakajima (@52shinNaka)